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 育毛剤の根拠となる作用は大別して以下の5つに分けられ、それぞれの代表成分も別記する通りです。


@ 5α-リダクターゼ阻害…プロペシア、男性ホルモンの抑制…女性ホルモン


A 血行促進、血管拡張
   酢酸α-トコフェノール、塩化カルプロニウム、ニンニク、センブリエキス、
   メントールなど


B 毛細胞へのエネルギー活性促進…ペンタデカン酸グリセリド


C 毛細胞の分裂促進…パントテン酸カルシウム  D 毛の成長期延長、
   促進…ミノキシジル


この他に巷間で言い習わされている発毛環境因子の整備として、頭皮清潔維持、ストレス軽減、毛髪生成成分の補填、などが加味され、現在の育毛の理由付けがなされている訳です。確かに、前述したものは私たち医師が、あるいは毛髪を研究する方々が外に向けて説明できて、かつ納得させられる範疇に入ります。


  しかし、健常毛の育成は単純なものではありません。一般に医学で長期経過とみなされる6ヶ月程度は将来に期待が持てる結果が出たとしても、せいぜい1〜2年をピークに効果が衰退していくものです。しかし、決して、育毛を否定するものではありません。私にどんな育毛が良いかと聴かれたなら、「ある程度、統計的な育毛効果が認められていて、副作用がごく軽微なものをお使い下さい」と申し上げます。


具体的には、前記したうちのプロペシアあるいはミノキシジルの単独もしくは併用をメインに環境因子改善としての食生活のバランス改善と睡眠確保で十分だろうと考えています。これで効果がなければ、他のいかなる育毛剤、栄養素を使おうと、よりすぐれた結果には結びつかないものと考えます。


知っている方も多いとは思いますが、プロペシアは元来、男性特有の病気、前立腺肥大症の治療薬として開発されたものです。その副作用として発毛効果が認められたため、育毛用に改良されました。一般にアンドロゲン依存型の薄毛に効くと言われています。しかし、副作用が軽微ですので、検査をして有効云々を確かめなくても使ってみたらよいでしょう。効果がなければ止めればいいのです。ただ、効果がある人も2年くらいを境に効果は薄れてくるようです。


  ミノキシジルは本来高血圧の薬として開発されたものでプロペシア同様、副作用として発毛が認められました。一般的には血管拡張効果が主な薬理作用と思われがちですが、毛髪の成長期延長の促進、休止期短縮作用があるようです。やはり2年くらいを境に効果衰減があるようです。


環境因子として偏食は改善した方が良いでしょう。とくに肉食に偏るとコレステロール増大から薄毛の最大原因と言われる男性ホルモン(5αDHT)に類似したステロイドホルモン過剰産生の危険にもつながるからです。


  また、睡眠の重要性を説くのは、一日のストレスをリセットするのに約6時間の睡眠(レム、ノンレム睡眠3クールに要する時間)で対処できるとされているからです。ストレスがかかるときには、それを和らげようとして副腎皮質ホルモンが過剰産生されます。このホルモンがやはり、男性ホルモン(5αDHT)に類似しているので、毛髪のレセプターが脱毛命令と勘違いを起こし、薄毛に拍車をかけることにつながりかねないからです。


  他にもいろいろ育毛に良いと言われるものがありますが、いずれも推量の域を脱していないものです。身近で実行・継続しやすく、80点の合格点をあげられるものとして、以上、4項目を検討されたらよいと考えます。


  ただ、いずれも健常毛の確保ということではありませんので、ご理解下さい。

愛和クリニック院長 加曾利要介



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